医療保険選びは、ますます難しい時代に
2015年10月、生命保険会社が販売する医療保険は、まさに戦国時代の様相を呈してきました。
あのオリックス生命がついに「付帯サービス」を始めるのです。
今まで、オリックス生命はかたくなに「商品力」と「保険料(=価格)」で勝負します、と言いつづけて来ました。
その頑固さは業界のなかでも際立っており「医療保険なんてそもそも不要だし、付帯サービスなんて要らないのでは。どうしても医療保険が要るというならばオリックス生命のシンプルさを評価して、オリックス生命の医療保険でいいのでは?」なんて、医療保険の不要論者のFPさんたちは言って来ました。
ところが、当のオリックス生命が大きな方針転換をしたわけで、この状況を医療保険の不要論者のFPさんたちはどう説明するのでしょうか?見物ですね。
価格競争だけでは難しいと、オリックス生命は判断した?
私はかねてから医療保険の存在意義は
- 大きな病気になった時の経済的サポート
- 先進医療を受けやすくなる
- セカンドオピニオンなどの付帯サービス
と位置づけてきましたし、その視点で各社の医療保険を評価してきました。
ここで具体的な商品名や詳しい商品内容には触れませんが、私が比較してみたところ、医療保険についてわかったことがあります。それは、
- もはや医療保険の保障内容では、各社遜色ないこと
- 各社、年齢や性別で微妙に保険料の設定をしており、全年齢と男女で比較しようとしても、保険料と保障内容で「この商品が一番お得」とは決められないということ
- ということは、もはや、どの医療保険がお勧めなのかということは、「付帯サービス」などでしか、判断材料を提供できないということ
- しかし、金融庁は、乗り合い代理店には、取り扱い商品の比較説明を「保険料や保障内容などの客観的事実に基くもの」であるように求めているという事実
これらを総合的に判断した時に、やや乗り遅れている感がオリックス生命自体にあったのかもしれません。
で、これからどうなる?医療保険は?
これが問題でして(苦笑)
主力保険会社の医療保険には、これでほぼ「付帯サービス」が付いてしまいました。
この付帯サービスは無料で受けられますから逆に言うと、保険料比較がスムーズに行えるとも言えます。
その一方、なんだか保険会社の「商品開発の姿勢」や「顧客サービスの考え方」も横並びになってしまったように思えてしまうわけです。
かつて、高級車にしか付いてなかったABSやエアバッグが、徐々に大衆車や軽四にまで付きはじめた時、自動車業界でどんなことが起こり始めましたか?
当時私はその自動車業界でトヨタの新車の販売をしていたわけですが、販売する側はつねにメーカーに対して「競合他社を打ち負かせるような商品開発」を求めていましたし、当時一般化していなかった電気自動車やハイブリッドカー開発への強い期待もありました。
これを医療保険の分野に当てはめてみると、見えてくるものがあります。
それは「入院中心」の保障内容から、「通院中心」の保障内容への方向転換ではないかと。
しかし、これはとても高いハードルで、今まで超えた来た保険会社は数社しかありませんし、それが成功したとは言いがたい状況です。
外来型(通院型)の医療保険を、支払いやすい保険料で開発した会社が、再びこの医療保険の分野での先駆者にきっとなると思います。
そんな保険ができたら是非とも乗り換えたいと思いますね^^
あっ、その前に保険の見直しをして、当面の保険料負担を減らしてくださいね。
[catlist categorypage=”yes”]