住宅ローンを考えよう~家が欲しいだけなのか、家での楽しい生活が欲しいのか

 

モノが欲しいのか、そうでないのか?

人間ですから、物欲はあります。

男性でしたら車が欲しかったり、PC関係が欲しかったり、たまに「もう一人のパートナー」が欲しい人もいたりします(苦笑)

女性でしたら、洋服やジュエリーなど、でしょうか?

ですから、「家が欲しい」という言葉には少し真剣に考えたいと思います。

住宅展示場、それはまさに「開けたらいかん扉」?

私も家を建てましたが、ごく普通の人にとって「家を建てる」ということはイメージがしにくいことなんです。

まず第一に「標準的な家」というものがわからないので、自分がとんでもない選択をしてしまわないか、という不安があったりします。

はるかに流行外のファッションはしたくないし、そんなものを何で買うの、なんていわれたくありませんよね。

そんな気持ちによく似ています。

ですから、住宅関係の情報誌をパラパラしてみたり、家を建てた知人を訪ねてみたりしますが、それでもイマイチピンと来ない事も多いでしょう。

で、ついに「住宅展示場」というところに行ってしまうのです。

行ったあなたは一気に気持ちが高ぶるか、ど~んと落ち込むかでしょう。

何せそこに展開されている世界は、まさにあなたの「物欲」に訴えかけてくるからです。

車を購入する際の「試乗」に似ています。

ディーラーで営業をしていた私の経験上からも、「実物に触れさせる」のが一番効果的なんです。

というわけで、「ああ、こんな高価なもの買えないや」と感じなかった人は一気に「家を買うモード」に突入するわけです。

ここでもう一度立ち止まって欲しい、あなたが「欲しいもの」はなに?

そんなあなたに冷や水を掛けてしまうわけですが(苦笑)、あなたが欲しかったのは「家」ですか「家での楽しい生活」ですか?

え~家が新しくなるんだから生活も楽しくなるんでしょう、と思われるかもしれませんが、はっきり申し上げますと、そうならない可能性もあるのです。

例えば、40歳のあなたは、どうしても3500万円の家が欲しくなったとします。

毎月収入の中から支払える生活費が30万円のあなたは、毎月115,000円を、35年支払う住宅ローンを組めばいいようです。

しかし、退職後の70歳から75歳もこの住宅ローンを支払えるのか、お子さんの教育資金も準備して、老後の準備もする、なんていうマネー計画をあなたは苦も無く実現できるでしょうか?

毎月使えるお金30万円のうち、住宅ローンの支払い後の18万円で食費、光熱費、被服費、教育費、ガソリン代、保険代を支払えますか?

しかもそれをしばらく続けなくてはいけないのですが。。。

では、支払える額を95,000円として、逆から住宅ローンを考えたら、どうでしょうか?

ここから導かれる借り入れ可能額は、先ほどと同じ金利、払込期間で

95000円÷3.313×100=約2867万円となります。

この2867万円を軸に物件を考えて、住宅ローンを選択すると、少なくても毎月20,000円の差が35年間生まれることになります。

その具体的な金額は、35年間で20,000円×12ヶ月×35年間=840万円です。

10年後に教育費が必要ならば、住宅の金額を払える金額に設定するだけで、240万円の余分な資金ができます。

どうですか、これでもあなたは「家を買うこと」を目標にしますか、それとも「家で気持ちよく生活できること」を選択しますか?

欲しい家を建てたら、生活がしんどくなった、では困りますよね!

欲しいものが、支払える金額で買えるのが一番です。

家電やPCなどは価格を比較して買うことでしょう。

もちろん、住宅も同じような設備や広さの家を安く建てる事ができるように探すのは良い事です。

しかし、一つだけ気にとめておいて欲しい事は、

家を手に入れることは莫大な借金を、長期間背負う事になる

ということです。

少々高いPCを購入しても、そのダメージは多くみても数ヶ月でしょう。

ところが、家の場合はそれが数十年と続き、何か想定外の事態が起こった時に、支払い状況を好転させるのが難しいのです。

生活費ギリギリの住宅ローンでとにかく欲しいものを買うのか、支払いが可能で、あなたのマネープランにも影響を与えないような住宅ローンを組むのか、あなたにはもうお分かりだと思います。

あなたには「新しい家で家族が楽しく過ごせる」ような選択をして欲しいと思います。

 

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